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Nのパラドックス

A / T[近藤愛助/古堅太郎]

滞在制作:2016年8月21日|日|-
展示会期:2016年9月3日|土|- 10月16日|日|
開館時間:11:00 -18:00|入館は17:30まで|
会場:2F展示室
休館日:火・水曜日 入場無料
主催:公益財団法人みやうち芸術文化振興財団

オープニング・パーティー/アーティスト・トーク
日時:2016年9月3日|土|19:00- パーティー 19:30- トーク

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ヒロシマ アメリカ オキナワ・・・日本とアメリカの関係を巡る

近藤は、現在ベルリンを拠点に活動しており、近年は近藤の曽祖父が1916年から38年間アメリカに移民として暮らしていたことから、日本とアメリカの関係について当時の日系アメリカ人の資料等を写真やビデオといったメディアにより再構築する作品を発表しています。古堅は、現在広島市を拠点として活動していますが、昨年まで10年以上ベルリンに移民として暮らしたことから、これまでとは異なる組織や社会に介入していく際に生じる認知しにくい身体の変化を、作品を通して視覚化しています。

A/Tというユニットは、互いのルーツやアイデンティティを巡る話から、古堅の祖父の故郷である沖縄への取材旅行から始まりました。普天間基地移設問題で揺れる辺野古のキャンプシュワブゲート前での出来事に衝撃を受け、2人はそれぞれのルーツだけではなく、戦争やテロ、当事者と傍観者などをキーワードに現在の立場から思考を巡らしていきました。今年2月、神奈川のblanClassにて開催した「アメリカ ヒロシマ オキナワ オオサカ シズオカ ベルリン 記憶の引き継ぎ それはたんなる思い込みにすぎない のか?」では、沖縄での記録映像や入手した日用品を元に、公開制作、パフォーマンスなどを行いました。この夏、広島でA/Tは、沖縄での記録映像の再編に加え、日本人の父とアメリカ人の母の間に産まれた「イサム・ノグチ」を軸に、リサーチ、滞在制作、展示を行います。本展のタイトルに使われる「N」は、ノグチ(Noguchi)、国家(Nation)などを想起させます。

イサム・ノグチは、1941年、日本軍による真珠湾攻撃を受け、アリゾナ州の日系人強制収容所に志願して入所しました。しかし、日本人や日系人からはアメリカ側のスパイではないかと疑われ、日本の敗戦直前には両親のどちらかがアメリカ人の日系人は少しずつ解放されましたが、ノグチは開戦時に反対運動を活発に行っていたことから、なかなか出所が許可されませんでした(*1)。戦後は、建築家の丹下健三の推薦により広島平和記念公園に設置する原爆慰霊碑のプランを作成しましたが、突然「不採用」の通知を受け実現しませんでした(*2)。公園コンペの審査員で丹下の師にあたる岸田日出刀がエッセイ(*3)で告白したように、ノグチがアメリカ人であることに抵抗があったようです。しかし、アメリカ国籍の彫刻家による制作を許容しないのは、原爆投下を不可避だったとするアメリカ側も同じだったであろうという見解もあります(*4)。沖縄には、日本における米軍専用施設面積の約70%に及ぶ基地が存在し(*5)、1972年に日本に返還される前には核兵器が配備されていたことは米公文書で明らかになっています。このように、日本とアメリカの間で翻弄される沖縄には、日米の戦争によって人生を大きく左右されたノグチの姿と重なるものを感じます。

A/Tは、そのようなパラドックス(逆理、矛盾、ジレンマ)を抱えた解決しがたい問題に対し、リサーチによる記録作業をおこなっていきます。それに加え、近藤、古堅それぞれの視点を通して視覚化する作品、さらに詩や文献の朗読を重ねあわせるといった多面的な構成により展開していきます。

*1 久我なつみ『アメリカを変えた日本人』朝日新聞出版、2011年 *2ドウス昌代『イサム・ノグチ(上)――宿命の越境者』講談社文庫、2003年 *3岸田日出刀『縁』相模書房、1958年 *4 岡崎乾二郎「墓は語るか」『ET IN ARCADIA EGO 墓は語るか 彫刻と呼ばれる、隠された場所』武蔵野美術大学 美術館・図書館、2013年 *5 沖縄県のHPより(2016年3月末現在)
*以上の文献から文章を引用ではなく参照して編集しています


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A / T[近藤愛助/古堅太郎]
2016年より共同制作を開始。これまでに、神奈川のblanClassでの展示・パフォーマンス「アメリカ ヒロシマ オキナワ オオサカ シズオカ ベルリン 記憶の引き継ぎ それはたんなる思い込みにすぎない のか?」(2016年2月)や、小沢剛のディレクションによる「3月11日オンライン映像祭」(2016年3月)に参加。

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blanClassでのパフォーマンス、展示風景

近藤愛助 / KONDO Aisuke
1980年静岡生まれ、2001年Bゼミ修了。2007年ベルリン芸術大学造形学部美術学科卒業。2008年ベルリン芸術大学造形学部美術学科マイスターシュラー課程修了。現在ベルリンを拠点に作家活動を行う。近年の主な個展に「About M.K.アメリカに移民として暮らしていた曽祖父について」(東京アートミュージアム、2016)、「サンフランシスコに移民として暮らしていた曾祖父について(またはベルリンに移民として暮らしている私について)」(京都芸術センター、2016)、「記憶の再構築」(CCC、静岡、2015)、「I=Y=0=∞」(東京ワンダーサイト・ベルリン、ドイツ、2013)、近年の主な展覧会に「PRIVATE / PUBLIC」(ヴォルフスブルク市民ギャラリー、ドイツ、2015)など「Distant Observations. Fukushima in Berlin」(クンストラウム・クロイツベルグ / ベタニアン、 ベルリン、2014)などがある。
www.aisukekondo.com

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[左]京都芸術センターでの展示風景 [右]東京アートミュージアムでの展示風景  

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古堅太郎 / FURUKATA Taro
1975年広島生まれ。2001年広島市立大学大学院芸術学研究科修了。2010年ベルリン・ヴァイセンゼー美術大学大学院彫刻科修了。近年の主な個展に「A Call To Family(家族への電話)」(ITO、シュトュットュガルト、ドイツ、2015)、「私とあなたと知らない誰か」(東京ワンダーサイト・ベルリン、ドイツ、2013)。近年の主なグループ展に「Grainy, Blurry:古堅太郎&アンドレアス・セル」(国際交流基金ケルン、ドイツ、2013)、「body | border | body」(東京ワンダーサイト・ベルリン、ドイツ、2013)、「GOOD LIFE: the 53rd October Salon」(旧測地学研究所、ベオグラード、セルビア、2012)など。Cow House Studios Artist Residency 2015(アイルランド)、東京ワンダーサイトの二国間交流事業プログラムに参加。2008年には、ポーラ美術振興財団在外研修員としてドイツ、ベルリンに滞在。2015年より、広島市立大学芸術学部現代表現領域非常勤講師。
www.tarofurukata.com
furukata_1 furukata_2
[左]《ジャーナル(同じ地図の上に#1)》アーティストの日常の食事を使って染めた布、Tシャツ用プリントペーパー、戦後沖縄で作られたジュラルミン製の鍋、ハンガー、台(2016)
[右]《ジャーナル(同じ地図の上に#2)》アーティストの日常の食事を使って染めた布、プリントペーパー、鍋、ハンガー、台(2016)
 

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