開催予定

アーティスト・イン・レジデンス プログラム 2025「あたらしい場所」

2025年4月29日(火・祝)-7月7日(月)

2025年度から始まるアーティスト・イン・レジデンス プログラム 第1回

この度、アートギャラリーミヤウチでは、滞在制作と展覧会を実施するアーティスト・イン・レジデンスプログラムを立ち上げました。
本プログラムの特徴は、同じアーティストを数年間継続して広島へ招聘するところです。
1年間に1ヶ月程度の滞在制作や、制作に関わる調査を継続してサポートすることで、短期間の関わりではたどり着けないような、作品表現の高みやアーティストと地域とのネットワークの広がりを模索していきます。

また本プログラムは、2023年に開催した同名展覧会「あたらしい場所」を展開した取組であり、これを踏まえ、第1回目となる今回は、2023年参加アーティストの中から西松秀祐と野村由香を引き続き招聘しました。キュレーションも継続してアーティストの黒田大スケへ依頼し、2名の作品に加え当館のコレクションから広島に関する作品が選出、展示されます。
2023年の最初の滞在から数えて3回目を一区切りとして、来年度は大規模な成果発表展を予定しています。広島に何度か滞在するアーティストの眼差しの先に、また新しい広島の場所が立ち現れることを期待します。

本展は被爆80周年記念事業【第1部】であり、県内のギャラリーを巡るイベント「Hiroshima Art Galleries Week 2025」の一環で開催します。


Hiroshima Art Galleries Week

キュレーターメッセージ

ずっとそこにあったものに新しく出会うことがあります。
例えば、毎日わたる橋の欄干に、それまでなかった幾何学模様を見つけたとき。あるいは、路面電車の停車場の、あるはずのない構造物に気がついたとき。それらがずっとそこにあった古びたものだったと認めるとき、あたりまえの風景が全く違ってみえてくる。そんな経験が誰にも一度はあるのではないでしょうか?
これは不思議なことですが、カメラのピントをあわせるような、ごく自然なことでもあります。同じものを見るにしても、焦点をどこに合わせるかで全く違った物語が立ち上がってくる。焦点の無限さと、既にそこにある誰も知らない数多の物語を想像すると気が遠くなります。この世はなんと果てしないのでしょうか。
本展は、西松秀祐、野村由香、それぞれの約1ヶ月に及ぶ滞在の成果と、併せてギャラリーミヤウチのコレクションの中から選りすぐりの広島に関する作品も展示します。慣れ親しんだものや場所でも、少し視点や焦点をずらすだけで、全く新しく感じることがあるように、アーティストの眼差しを窓に、あたらしい場所を探しに来てください。
(黒田大スケ)

関連イベント

近日公開

アーティスト

西松秀祐/NISHIMATSU Shusuke

1988年岐阜県生まれ。現在大分県杵築市在住。2012年名古屋芸術⼤学芸術学部(洋画コース)卒業。2017年ブランシュバイク芸術大学Diplom課程修了。場所(土地 / 歴史)と人との関係、記憶と記録、蓄積された時間を通底するテーマに置きながら、自身が移動することで出会う諸状況(滞在制作地の歴史、散歩での出会いと通り過ぎる人々、住人との会話、展示会場までの道)と、変化していく自身の心の機微を起点に作品制作を行っている。

【主な展覧会】
2024年 個展「transition #02『Variations in Time』」別府市創造交流発信拠点『TRANSIT』(大分)
2024年 個展「A Breath of Time」Grand Huit(ナント、フランス) 
2024年 「半井桃水館芸術祭『シャンデリア』」対馬市内各所(長崎)

野村由香/NOMURA Yuka

1994年岐阜県生まれ。現在、京都府京都市在住。2019年京都市立芸術大学大学院美術研究科彫刻専攻修了。世界を刻々と変化させ動かす根源的な力とその作用について関心を持ち、対象とする出来事や状況に流れる固有の時間を造形やインスタレーションとして表現している。制作を通して日常を別の角度から捉え直すことで、世界の混沌や未知、生きることの不思議について考えている。

【主な展覧会】
2025年「TOKAS-Emerging 2025」トーキョーアーツアンドスペース(東京)※2025/4/5-開催予定
2024年「半井桃水館芸術祭 シャンデリア」半井桃水館/ 宮谷の家(長崎)
2024年「神戸六甲ミーツ・アート2024 beyond」六甲高山植物園(兵庫)

企画者

黒田大スケ/KURODA Daisuke

本展の企画者。1982年京都府生まれ。2013年広島市立大学大学院芸術学研究科総合造形芸術専攻(彫刻領域)修了。同年橋本平八「石に就て」の研究で博士号取得。歴史、環境、身体に関する様々なリサーチを通じ、認識されているが目に見えない幽霊のような存在を可視化する作品を手がける。

【主な展覧会】
2024年 「第7回昌原彫刻ビエンナーレ2024『silent apple』」(昌原、韓国)
2024年 「KYOTO EXPERIMENT「Echoes Now」」京都芸術センター
2023年 「コレクション・ハイライト+コレクション・リレーションズ[村上友重+⿊⽥⼤スケ:広島を視る]」広島市現代美術館

基本情報

会期

2025年4月29日(火・祝)-7月7日(月)

開館時間

10:00-17:00(最終入館は16:30)

休館日

火・水曜日(但し4/29, 5/6は開館)

観覧料

一般600(480)円、学生400(320)円
※ ( )内は10名以上の団体料金。高校生以下又は18歳未満、各種障がい者手帳をお持ちの方と介助者1名は無料

企画

黒田大スケ

主催

公益財団法人みやうち芸術文化振興財団