茶人。広島の地で400年続く武家茶道上田宗箇流の家元付正教授。伝統を踏まえながら、現代的な感性や価値観を反映した茶の湯のスタイルを確立。現在、広島とニューヨークを拠点に茶会の開催や、お稽古を行い、広島の茶の湯文化を発信している。アートギャラリーミヤウチでは、2017年に「Whitescape −はつかいち 冬の茶会」のディレクター・亭主を務めた。
茶の湯Lifeは「茶の湯をもっと身近に」をテーマに、毎回違った視点からわかりやすく茶の湯の魅力を紹介するレクチャーです。アートギャラリーミヤウチでのレクチャーは「茶の湯の歴史」「茶の湯と建築」「茶の湯と現代アート」を開催します。
第1回目は「茶の湯の歴史 編」。800年前に宋から日本に伝来した抹茶が、飲み物から文化そして芸術にまでなる過程をスライドを交えてご紹介します。主に、茶の湯に馴染みのない方を対象としたレクチャーですので、予備知識なくお楽しみいただけます。ビデオ会議アプリ「ZOOM(ズーム)」を使用しますので、ご自宅などからお気軽にご参加ください。
茶人。広島の地で400年続く武家茶道上田宗箇流の家元付正教授。伝統を踏まえながら、現代的な感性や価値観を反映した茶の湯のスタイルを確立。現在、広島とニューヨークを拠点に茶会の開催や、お稽古を行い、広島の茶の湯文化を発信している。アートギャラリーミヤウチでは、2017年に「Whitescape −はつかいち 冬の茶会」のディレクター・亭主を務めた。
日時 | (1) 2020年11月14日(日)19:00-20:30 |
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対象 | 小学3年生〜 |
定員 | 15名 |
予約締切 | 11月13日(金)17:00まで |
参加費 | 1,500円 / 1回線 |
お申込み・お支払い方法 | お支払い方法は、クレジットカード、銀行振込、コンビニ/ATM、Paypal、現金、PayPayがあります。クレジットカード、Paypal、PayPayは手数料がかかりません。 (1)ギャラリーHPからのお申し込み お支払い方法:クレジットカード
上記の「チケットを申し込む」ボタンをクリック。インターネットのブラウザが開き決済画面が出ます。Eメールアドレス、電話番号、氏名、カードの番号、有効期限、セキュリティコード(カード裏面署名欄の番号下3桁)、居住地の郵便番号をご入力いただき、「今すぐ支払う」ボタンをクリック。自動返信メールが届きますとお申し込み完了です。完了メールは現在の設定上、一部の単語が英語表記となりますことをご了承ください。 (2) 電話・FAX・Eメールからのお申し込み お支払い方法:クレジットカード又は、銀行振込
件名を「茶の湯レクチャー」とし、お名前、人数、連絡の取りやすい電話番号、Eメールアドレス、希望のお支払い方法を下記のいずれか宛にお知らせくだください。折り返しお客様専用のクレジットカード決済フォーム又は振込先情報をお送りいたします。 (3) チケット販売サイトからのお申し込み お支払い方法:クレジットカード、コンビニ/ ATM (ペイジー)、Paypal
Peatixから申し込む (4) ギャラリーでのお申込み お支払い方法:現金、PayPay 前日までにギャラリーにお越しいただける方は直接お申込み、お支払いが可能です。 下記の資料もご確認ください。 |
参加方法・事前準備 |
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注意事項 |
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主催 | アートギャラリーミヤウチ |
支援 | 広島市 文化芸術の灯を消さないプロジェクト 本展は、「広島市文化芸術振興臨時支援事業~文化芸術の灯を消さないプロジェクト~」の一環として広島市を拠点とするアーティストの創作活動を紹介してく取り組みの一つして開催しています。新型コロナウイルスの影響で、決まった日時や場所での作品鑑賞は当然にあるものではなく不安定なものであることを目の当たりにしました。そのような状況下でもアーティストの活動は止むわけではなく、展覧会や演奏といった発表の形だけに留まらず制作、研究・実験といった創作活動は個々の時間で続いています。このたびのプログラムは当館をはじめ、広島市内各所、オンラインなど場所や活動期間も各アーティストで異なります。それぞれのアクティビティ(活動や遊び)を通して、作品の孤立性と関係性、展覧会やスペース、そして鑑賞のあり方を問いながらそれらの見直しを試みていきます。 |
オンラインレクチャーレポート 茶の湯Life -第 1 回 茶の湯の歴史 編
「茶の湯をもっと身近に」をテーマに、毎回違った視点からわかりやすく茶の湯の魅力を紹介するレクチャーシリーズ・茶の湯Life。
現在、広島・ニューヨークを拠点に茶会の開催や、お稽古を行い、広島の茶の湯文化を発信している武家茶道上田宗箇流の家元付正教授の長野佳嗣さんが講師を努めます。
茶道に馴染みのない方を対象にしたこのレクチャーシリーズは全3回。
第一回目となる今回は「茶の湯の歴史」をお話しいただきました。
ニューヨークからレクチャーをしてくださる長野さん。
「ニューヨークでは抹茶ブーム。みんな抹茶という言葉を知っている。でも認知されているのは“飲み物”として。“文化・芸術”にはなっていない。“飲み物”が“文化・芸術”になるというのはどういうことか?」 を起点に茶の湯の起源について儀礼性、遊戯性、精神性の3つキーワードを主軸にご説明いただきました。
鎌倉時代の僧侶・栄西が宋で仏道を学んだ際に出会ったのが「茶の湯」。
まだ「禅」も日本に伝わっていない時代。栄西は禅修行の途中に茶を飲むという習慣があることを知ります。そして教典と共に、お茶の原料となるチャノキの種を日本に持ち帰ります。これが日本の茶の湯の始まりとされています。
鎌倉末期。お茶は武士や貴族の間でも流行するようになりました。「会所」といういわゆる上流階級のプライベートサロンでお茶が楽しまれました。
「会所を舞台に、お茶のポジションが上がっていき、他の文化に接近していく現象が起こっていきます。」
時代は唐物と呼ばれる中国の工芸品が大ブーム。
最新で最高技術を持つ唐物は、「闘茶」というお茶の賭け事の景品としてもてはやされました。それがお茶の遊戯性の誕生だと長野さんは語ります。
道楽のように楽しまれたお茶がなぜ芸術性を高めたのか。
室町時代に入り、「茶禅一味」という概念を唱えた茶人・村田珠光が弟子に当てて書いた手紙『心の文』を長野さんが現代語訳で紹介してくださいました。
謙虚な気持ちでいること、慢心と執着をしないこと。良いものを知り尽くしてたどり着く境地があり、そこにさらに自分らしさを取り入れよという教え。
「心のままにするな。自分が心を導く師となれ。」
全ての芸事に関わる人に通ずるその手紙は、長野さん自身も痛いところを突かれたような気持ちになる道の規範でした。
戦国時代に入り、織田信長は茶の湯を政治利用することにより、その価値を高めます。
続いて、千利休は秀吉とタッグを組み、侘茶を研ぎ澄まし、わずか10年で自分の世界を広げていきます。
2畳ほどの薄暗い狭い部屋でお茶を立て、相手と向き合うことにより、儀礼性や遊戯性を削ぎ落として精神性を高めていきます。
「身一つでお茶の空間に入る・身分も知識も捨てて、そこにあるのはお茶だけ、という世界になっていきます。」
楽茶碗の台頭など、現在知られる茶の湯のスタイルになりました。
スライドの説明後の質疑応答では参加者の方からたくさんの質問をいただきました。
ざっくばらんな質問にリモート開催の中でも和やかな雰囲気となりました。
お茶をされている方から初心者の方まで、利久の茶室のような「身一つで参加する世界」というのがオンラインで擬似的に再現されたようだったのが印象的です。
次回は12月に「茶の湯と建築」というテーマで開催となります。
どうぞお楽しみに。
2020年11月27日
平石もも / AGmアンバサダー・元横川創苑マネージャー