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平本拓也|花とひととき

2016年11月3日(木・祝)-19日(土)

“花をいけることは自然のなかに身をおくことでその美しさに気付かされることから始まります”

平本拓也は自らを華道家ではなく「花のひと」と呼称し、季節の山野草に出会い、愛で、草・木・花とともに過ごす「ひととき」を、いけることでしつらえていきます。平本のいける姿は、終始鋭い視線を植物に注ぎ、花との時間を独り占めするようでもあり、そして花によって生かされている覚悟のようなものも感じます。平本が言う「ひととき」とは、自然の花と出会った時から始まり、 いけられた花とともに生きるという、古くから日本人がもっている自然を愛でる心を知覚できる時間のことでしょう。

このたびの展示では、あらかじめ決めておいた植物ではなく、設営の日に応じて出会うことのできる植物を選び、平本のその日の心情とともに空間を構成していきます。空間を利用したしつらえから、器を使用した花いけ、そしてこれまでの「ひととき」を平本の視点で残した写真のスライドショーを予定しており、その場限りの様々な植物の表情をお楽しみください。会期中の幾日かはお手入れを随時行うため、「花とひととき」を体現する平本の姿に相見えるかもしれません。会期終了後の翌日には、平本による実演やレクチャー、季節の山野草を中心とした草花をいける教室といった「四季の花講座」を開催します(要申込・上記参照)。

庭や盆栽といった人為的でありながら慎ましやかな自然の姿を愛でる習慣が発達したように、何気ない時間と空間から新たな発見が始まることを期待します。

*写真は全てが秋の植物ではありません

平本拓也|HIRAMOTO Takuya

花のひと。1981年、広島県呉市生まれ。2002年から2015年まで県外で花屋勤務を経験。現在、生まれ育った広島県を活動の拠点とし、草・木・花の自然の姿、四季の美しさに触れ、表現の原点を見つめる。自身の考える植物と人とを繋ぐ時間「ひととき」を創作している。フラワーデザイン競技会の「ジャパンカップ」で準優勝するなど全国大会での入賞多数。

基本情報

会期

2016年11月3日(木・祝)-19日(土)

開館時間

11:00 -18:00|入館は17:30まで|

会場

アートギャラリーミヤウチ 2F展示室

休館日

火・水曜日

観覧料

入場無料