1985年広島生まれ。2010年広島市立大学大学院芸術学研究科博士前期課程修了。主な展示に「Another sky」(ギャラリーG、広島、2009)、「IN MY PRIVATE ROOM」(art space HAP、広島、2009)。《Endless 0》は、目に見えない千羽鶴を延々と折り続ける約32時間の映像作品であり、毎年広島に送られてくる膨大な量の折鶴に対して、平和を祈る大勢の人々の思いを物質的な量ではなく折る行為によって表現している。
私たちの周りに確かに存在する“空気”。それは無色透明の気体のほか、日本語では「空気を読む」と言うように、その場の情況や雰囲気も表します。
かつて先人たちは、雲や動物の動きだけではなく空気の温度や匂いまであらゆる情報をもとに明日の天気を予測していました。それは、生きるための然るべきアンテナを常にはっていたと言えるでしょう。しかし、今日社会がつくり出す膨大な情報を目の前にし、そこに潜む温度や匂いに対して私たちは今どんなアンテナを持っているのでしょうか。
このたびの「空気—微かなサイン—」は、私たちにそっと語りかける気配のようなもの、つまり“微かなサイン”を作品から察知し、未来を創造するための空気の読み方を考察するものです。
出品作家は、当ギャラリーの活動目的の一つである地元作家の支援を念頭に、広島出身、在住の若手アーティストを取り上げます。身体の動きのみで目に見えないものをつくり出す所作、揺るがない歴史的事実と日常が共存する風景を収めた写真、表面に見える動きや輝きの源を導き出すもの、存在しているにも関わらず触れることができないものを想起させる彫刻といった作品をとおして、物事の本質を自ら想像し判断していくことを促します。
適切なアンテナをはり“微かなサイン”を捉えることができた時、私たちを取り巻いている“空気”の実態も、進む行先も見えてくるかもしれません。
沖中志帆、笹岡啓子、SHAREFL、友定睦、長岡朋恵、藤江竜太郎
※新作の場合は〔参考画像〕を掲載しています。
1985年広島生まれ。2010年広島市立大学大学院芸術学研究科博士前期課程修了。主な展示に「Another sky」(ギャラリーG、広島、2009)、「IN MY PRIVATE ROOM」(art space HAP、広島、2009)。《Endless 0》は、目に見えない千羽鶴を延々と折り続ける約32時間の映像作品であり、毎年広島に送られてくる膨大な量の折鶴に対して、平和を祈る大勢の人々の思いを物質的な量ではなく折る行為によって表現している。
写真家。1978年広島市生まれ。2002年東京造形大学卒業。「VOCA展2008」奨励賞(2008年)、日本写真協会新人賞(2010年)、さがみはら写真新人奨励賞(2012年)を受賞。2001年の設立時よりphotographers’ galleryに参加。個展多数開催。広島に育ち、街を離れたことから、歴史的な街(広島)の内側と外側を見つめる。その経験が、多くの作品に影響を与えている。写真集に『PARK CITY』(インスクリプト、2009年)、『FISHING』(KULA、2012年)など。冊子シリーズ『Remembrance』1〜41号(KULA、2012〜2013年)を刊行。2012年、「この世界とわたしのどこか 日本の新進作家vol.11」(東京都写真美術館)に参加。《PARK CITY》は、広島という都市を過去と現在が入れ子状となった時間を内包している場所として捉え、平和記念公園を中心に撮影した作品である。
広島・東京でデザイン・ウェブ制作をおこなうデザイナー・開発者のグループ。制作会社に帰属しないものづくりのできる環境を設け、活用することで、純粋にものづくりへのモチベーションを高められる場としてSHAREFL設立。主にFlash/AIRなどのWEBインタラクティブなコンテンツづくりのノウハウを共有し、非営利の研究・制作の活動、アート展示活動、サービス開発・運営を行なっている。「AIR SHODOU」は、「ゲンビどこでも企画公募2011展」 にて松井みどり賞受賞(広島市現代美術館、2011)。「Mashup Awards7」にてAdobe賞受賞(2011)。その他、広島、岡山、徳島、東京などで個展やグループ展多数開催。筆を使わずに全身を動かして書く空間書道。平面の書道ではなく奥行きの動きを直感的に筆圧に変換する。
1989年神戸市生まれ。2014年広島市立大学大学院芸術学研究科博士前期課程修了予定。主な展覧会に「対馬アートファンタジア2013」(長崎県対馬市、2013)、「建物の生態展」(旧日本銀行広島支店他、2013)、「ヒロシマ・オー 現在の広島」(旧日本銀行広島支店、2013)などがある。アーティストグループ「チ―ムやめよう」のメンバーとしても活動中。自身が出演するパフォーマンス映像を中心に、出来事の「不確かさ」や「わからなさ」を表現している。「The mask」は、顔の表皮よりも、それを動かしている支持体のかたちや動きに注目させる映像作品である。
1980年広島生まれ。広島市立大学大学院芸術学研究科博士前期課程修了。主な個展に「まにまにゴト」(GalleryQ、東京、2011)。主なグループ展に「北村西望生誕地現代彫刻プロジェクトinterdependence.—Cのかたちー」(南有馬町、長崎、2004)、「出雲玉造アートフェスティバル」(松江市玉湯町玉造温泉各所、島根、2006)「ある風景のはなし」(泉美術館、広島、2013)。体験的イメージをもとに、風景、出来事などを物質化させる実験的試みを中心した作品を展開。現在、広島在住、文化服装学院広島校非常勤講師。今回出品する消しゴムやチューブなどでできた彫刻群は、存在しているにも関わらず触れることができないものを想起させ、あたかも当たり前のようにそこに存在している。
1978年広島生まれ。広島市立大学大学院芸術学研究科を修了後、2008年よりドイツ・アラヌス大学大学院にてランドアートを学ぶ。主な展示に、「六甲ミーツ・アート 芸術散歩 2010」(六甲山、神戸、2010、公募大賞受賞)、「水と土の芸術祭2012」(新潟、2012)など。地域型プロジェクトや野外展示をメインに、日本の伝統的な表現や文化を意識的に利用し、現代社会では目を向けづらくなってしまった日常の中の悠々として繊細な自然の変化を感じるきっかけとなるインスタレーション作品を発表している。2012年より広島市立大学芸術学部助教。本展では唯一の屋外作品として出品。冬から春に向けてうつろう悠々として繊細な自然の変化と対話するために、その溢れんばかりのエネルギーを風と光を使って視覚化することを試みる。
広島で「空気」テーマのアート展-広島にゆかりのある若手6組が参加
『広島経済新聞』2014年4月18日
https://hiroshima.keizai.biz/headline/1840/