終了

あたらしい場所

2023年4月27日(木)-7月2日(日)

9名のアーティストが約1ヶ月の滞在と交流を通して「広島」をテーマに制作

New Places: Changing Focus in Hiroshima

ずっとそこにあったものに新しく出会うことがあります。
例えば、毎日わたる橋の欄干に、それまでなかった幾何学模様を見つけたとき。あるいは、路面電車の停車場の、あるはずのない構造物に気がついたとき。それらがずっとそこにあった古びたものだったと認めるとき、あたりまえの風景が全く違ってみえてくる。そんな経験が誰にも一度はあるのではないでしょうか?
これは不思議なことですが、カメラのピントをあわせるような、ごく自然なことでもあります。同じものを見るにしても、焦点をどこに合わせるかで全く違った物語が立ち上がってくる。焦点の無限さと、既にそこにある誰も知らない数多の物語を想像すると気が遠くなります。この世はなんと果てしないのでしょうか。
本展は、広島をテーマに9名のアーティストが制作した作品を展示しています。参加アーティストの一部はレジデンスアーティストとして広島に初めて長期滞在し作品を制作しており、広島在住のアーティストの作品とあわせて、広島に対する多様な視点を知ることが出来る機会となっています。慣れ親しんだものや場所でも、少し視点や焦点をずらすだけで、全く新しく感じることがあるように、アーティストの眼差しを窓に、あたらしい場所を探しに来てください。

本展は当館の開館10周年記念展及び「Hiroshima Art Galleries Week 2023」の一環で開催します

Hiroshima Art Galleries Week

Event

アーティストトーク

日時|2023年4月27日(木) 14:00-15:30

  2023年4月29日(土・祝) 14:00-15:30

※予約不要、参加費無料(但し要観覧券)

学芸員によるプチギャラリートーク

日時|2023年5月28日(日)10:30-10:50、14:30-14:50

  2023年6月11日(日)10:30-10:50、14:30-14:50

  2023年6月25日(日)10:30-10:50、14:30-14:50

※予約不要、参加費無料(但し要観覧券)

詳細はこちら

アーティスト

飯川雄大、木村桃子、黒田大スケ、津川奈菜、友定睦、西松秀祐、野村由香、三ツ谷麻野、矢野恵利子

※画像は全て参考画像です

飯川雄大《時の演習用時計”ベンチ”》2008年、ヴィデオ、24時間(画像:スチル写真)
木村桃子《星をたくわえたひと》2021年、木、コンクリート、着彩
黒田大スケ《アサノの為のプラクティス》2022年(撮影:大塚敬太+稲口俊太)
津川奈菜《フレアスカートと幽霊》2020年、ペンシルパステル、紙
友定睦《明日の海》2019年、ビデオ(05m24s)、プロジェクター、スピーカー、障子、モーター、ミラーボール、ガラス玉 (撮影:橋本健佑)
西松秀祐《建設的な会議》2019年、ビデオ、サウンド
野村由香《池のかめが顔をだして潜る》2022年、粘土、庭の土、枝、紐、張り子、木材、麻袋、トロ舟、水、ペール缶、ボウル、ロープ、スコップ、霧吹き、手袋、刺繍、アクリルプリント(撮影:来田猛)
三ツ谷麻野《UNEGG.sbj》2022年、3Dプリント(3DCGソフトウェア「Zbrush」による造形)、インクジェットプリント(生成モデル「GAN」による画像)
矢野恵利子《Happy-Go-Lucky / 私たちには時間がない》2022年、木材、モーター、コンピューター、モニター、ボール等

飯川雄大/IIKAWA Takehiro

1981年兵庫県生まれ、同地を拠点に活動。 成安造形大学情報デザイン学科ビデオクラスを卒業。2007年から〈デコレータークラブ〉の制作を始める。鑑賞者の行為によって起きる偶然をポジティブにとらえ、見るものに思考を誘発しながら展開していく作品を制作。 主な展覧会に、「感覚の領域今、「経験する」ということ」(国立国際美術館、2022年)、「デコレータークラブ メイクスペース、ユーズスペース」(兵庫県立美術館、2022年)、「デコレータークラブ 同時に起きる、もしくは遅れて気づく」(彫刻の森美術館、2022年)、「デコレータークラブ ─0人もしくは1人以上の観客に向けて」(千葉市美術館 つくりかけラボ04、2021年)など。

木村桃子/KIMURA Momoko

1993年東京都生まれ、同地在住。2019年武蔵野美術大学大学院造形研究科修士課程美術専攻彫刻コース修了。彫刻を中心に制作活動を行い、「木彫」という枠組みの解体をドローイングを交えながら探究している。主な展覧会に「個展:もれる光 のびる線」(galerie H/東京、2022年)、「個展:木馬と星」(WALLA/東京、2022年)、「八色の森の美術展 たおやかなまなざし」(池田記念美術館/新潟県、2022年)など。

黒田大スケ/KURODA Daisuke

本展の企画者。1982年京都府生まれ。2013年広島市立大学大学院芸術学研究科総合造形芸術専攻(彫刻領域)修了。同年橋本平八「石に就て」の研究で博士号取得。歴史、環境、身体に関する様々なリサーチを通じ、認識されているが目に見えない幽霊のような存在を可視化する作品を手がける。主な展覧会に「第25回 DOMANI・明日展」(国立新美術館、東京、2022年)、「STILL ALIVE 国際芸術祭あいち2022」(常滑市、愛知、2022年)、「未然のライシテ、どげざの目線」(京都芸術センター、2021年)など。

津川奈菜/TSUGAWA Nana

1991年広島県生まれ、在住。2015年尾道市立大学大学院美術研究科絵画研究分野修了。紙に鉛筆で描くドローイングを起点として制作している。繰り返し描き/消すことで、何となく現れる形や風景を探し描く。近年では、そのドローイングをつなぎ合わせ再編成し大画面化する試みを行っている。主な展覧会に、2022年「第25回 岡本太郎現代芸術賞展」(川崎市岡本太郎美術館、神奈川)。2021年「第74回山口県美術展覧会特別展示」(山口県立美術館、山口)などがある。

友定睦/TOMOSADA Mutsumi

1989年兵庫生まれ、広島県在住。実写映像や3DCGを扱い表現活動を行っている。社会の記憶において曖昧な事象に着目し、収集した記録物の再構成によって新たな視点で画く方法を模索している。主な個展に「the mountain, drifting 山、漂流する」(呉市立美術館、広島、2023)、「miike echo」(万田坑ステーション、熊本、2023)、「Backlight」(D.A.Aura、光州・韓国、2018)、グループ展に「瀬戸内国際芸術祭」(香川、2016/2019)、「六甲ミーツ・アート芸術散歩」(兵庫、2017)などがある。

西松秀祐/NISHIMATSU Shusuke

1988年岐阜市生まれ。現在大分県杵築市を拠点に活動している。映像、テキスト、写真などを用い、場所と人との関係、記憶と記録をテーマに作品を制作している。主な展覧会に「遠くの方で音がする」山中suplex別棟「MINE」 (大阪 / 2023)、「三谷温泉アートプロジェクト」ととのう温泉美術館(蒲郡 / 2023)、「対馬アートファンタジア2020-2021」対馬市内各所(対馬 / 2021)などがある。

野村由香/NOMURA Yuka

1994年岐阜県生まれ、京都府在住。2019年京都市立芸術大学大学院美術研究科修士課程彫刻専攻修了。日常のあらゆる状況が誰も気がつかないようなゆっくりとした速度で変化し続けている中で流れる時間を作品として凝縮し、再現しようとしている。主な展覧会に東九条アンサンブル (京都市地域・多文化交流ネットワークセンター、2022) 、京芸 transmit program 2022 (京都市立芸術大学ギャラリー@KCUA) などがある。

三ツ谷麻野/MITSUYA Asano

2001年京都府生まれ。現在は、広島市立大学芸術学部彫刻専攻に在籍。平面イメージから立体のオブジェクトへ変換する手法を用いて、パブリックドメインとなった画像、インターネット上にある大量のイメージまたは自身が撮影した写真を資料とした立体作品を制作している。主な展示に「Pink de Tea Time2022」(STUDIO PINK HOUSE、2022-2023)「地図、幻、ナップザック、テラへ」(広島芸術センター、2022) がある。

矢野恵利子/YANO Eriko

1987年香川県生まれ、同地在住。武蔵野美術大学工芸工業デザイン学科陶磁コース卒業。極めて個人的な問題のために見落とされ、当事者の中で積もり積もっていく小さな事象やストレスを、ユーモアに変える作品を手がけている。近年の主な展示として、「バベルの跡地から」(Syndicate、香川、2023)、「せとうちの大気 美術の視点」(香川県立ミュージアム、香川、2022) NEVER UNDER CONTROL (鴨江アートセンター、静岡、2021)、「HOLIDAY MACHINE」(THE GUESTHOUSE PROJECT、アイルランド、2018年)など。

関連展示 / 連携イベント

共催の広島芸術センターでも本展出品作家の展示が続きます。ギャラリー隣のスタジオピンクハウスでは、「Hiroshima Art Galleries Week 2023」の期間中に喫茶とコレクション展が開催されます。

基本情報

会期

2023年4月27日(木)-7月2日(日)

開館時間

10:00-17:00(最終入館は16:30)

休館日

火・水曜日(但し5/2, 3, 16, 6/6, 20は開館)

観覧料

一般600(480)円、学生400(320)円
※ ( )内は10名以上の団体料金。高校生以下又は18歳未満、各種障がい者手帳をお持ちの方と介助者1名は無料

企画

黒田大スケ

主催

アートギャラリーミヤウチ
(公益財団法人みやうち芸術文化振興財団)

共催

広島芸術センター

協力

Hiroshima Art Galleries Week実行委員会

後援

廿日市市教育委員会

展示巡りツアー参加方法

当館と広島芸術センターを巡るタクシーツアー

日にち|2023年5月3日(水・祝)
1) 10:00-13:00 JR宮内串戸駅発→当館→広島芸術センター→広島市内解散  受付終了
2) 13:30-17:00 広島市内発→広島芸術センター→当館→JR宮内串戸駅解散  残1名
参加費|6,000円(当館観覧料+展示ガイド料+ツアー内の移動費+お土産込)
定員|各回7名
対象|小学生以上(同伴者も要参加費)
申込期限|5月2日 18:00まで 4月30日 17:00まで
広島市内の集合/解散場所は広島市現代美術館周辺、第2三沢コーポ前、平和大通り沿いを予定

広島市現代美術館では、リニューアル特別記念展「Before/After」、近隣のギャラリーでは「Hiroshima Art Galleries Week2023」として独自企画の展覧会が開催されています。

注意事項など以下を必ずご確認ください。

  • (2)の午後の部に限り、当館の展示を早く見終わられた方は隣のスタジオピンクハウスの喫茶や展示もご自由にご覧ください(但し要入場料)
  • 本イベントについて、広島市現代美術館をはじめ他のギャラリーへのお問い合わせはご遠慮ください。
  • 集合場所までと解散場所からはご自身での移動をお願いいたします。
  • 集合時間に遅れる場合は次の目的地までご自身で移動をお願いする場合があります。
  • タクシーは9名乗り、当館学芸員がガイドとして同行します。
  • 自動車保険はタクシーに付帯しています。
  • 招待券や各種手帳をお持ちの方やちゅーピー会員や学生など割引・無料対象の方はお申し込みフォームの質問欄でご申告ください。参加費から割引を行います。(例:招待券をお持ちの方/無料の方:5,500円、学生の方:5,800円、ちゅーピー会員:5,900円)
  • 座席が限られているため年齢に関係なく一律参加費を頂戴いたします(但し上記のとおり参加費の割引があります)
  • 参加費はアートギャラリーミヤウチに到着した際に頂戴いたします。現金またはPayPay、クレジットカード対応です。
  • 終了時間は当日の交通状況によって変動する可能性があります。
  • 当日は記録として写真や動画を撮影します。顔出しがNGの方は当日確認させていただきます。
  • その他詳細はご予約完了後にメールなどでお伝えいたします。

開催レポート

メディア掲載

福田彩乃「広島の風土・歴史に焦点」『中国新聞』2023年5月22日、朝刊11面.
https://www.chugoku-np.co.jp/articles/-/322029

慶野結香「【年末特別企画】15人が選ぶ「2023年ベスト展覧会」」『Tokyo Art Beat』2023年12月22日.
https://www.tokyoartbeat.com/articles/-/best-exhibitions-of-2023-202312

 

  • 飯川 雄大《時の演習用時計 “バスケットゴール”》
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  • 木村 桃子《港劇場》《ラッキー劇場》《鯉城館》《松原館》
  • 木村 桃子《ヒロシマシネマ星図》
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  • 黒田 大スケ《ヒロシマイトとしてのポートレート》
  • 三ツ谷 麻野《サーフェイス・サイクリング #Hiroshima》
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  • 西松 秀祐《Walk》
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  • 西松 秀祐《Walk (私の眼鏡 / 原田さんの眼鏡 ) 》
  • 野村 由香《山がうごく》
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  • 野村 由香《山がうごく》記録映像
  • 友定 睦《火の視線》
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