1976年大阪市生まれ。1999年京都造形芸術大学芸術学部美術科洋画コース卒業。2004年広島市立大学大学院芸術学研究科博士後期課程総合造形芸術専攻単位取得満期退学。2013年まで「野呂山芸術村構想」(広島県呉市)招聘作家。東京、大阪の百貨店を中心に個展、グループ展に多数出品。
大路誠は、人物、静物、風景、動物と対象を幅広く展開する写実絵画が特徴です。その中でも画家自身がとりわけ興味を持ち、学生時代から描いているモチーフにアンモナイトの化石があります。アンモナイトは私たち人間が地球上に存在していない時代の生き物です。身近な存在ではない生き物の化石を描くことには一体どんな意味があるのでしょうか。大路はそのアンモナイトの化石から造形的な面白さはもちろんですが、その化石に含まれている何億年もの時間に関心があると言っています。何億年もの時間が含まれているアンモナイトの化石の絵画と対峙、そして対話するとき、人間の根源的なテーマにある「生」や「死」と自分の関係は、どのように変化するのでしょうか。
また化石というモチーフに魅了されてきた画家が描く人物や食物、風景といった身近な生物をモチーフにした描き方との違いや共通点、そして変化も見えてくるかもしれません。例えば人物画の描き方には大路自身の変化もみられます。2012年の《秋光》は眠るような女性を枯葉とともに描き、静物画のモチーフのような不気味さが漂います。一方、2016年の《まなざしの先に》は女性が存在する場所も特定でき、さらには描き手との対話も聞こえてくるような臨場感があります。本展では、初期のアンモナイトをモチーフとした作品から、モチーフに対する意識の変化が見られる人物画を軸にして構成されます。大路のモチーフとの対話をお楽しみください。
1976年大阪市生まれ。1999年京都造形芸術大学芸術学部美術科洋画コース卒業。2004年広島市立大学大学院芸術学研究科博士後期課程総合造形芸術専攻単位取得満期退学。2013年まで「野呂山芸術村構想」(広島県呉市)招聘作家。東京、大阪の百貨店を中心に個展、グループ展に多数出品。