広島市出身、現在は比治山大学短期大学部美術科で助教を務める砂川啓介の個展をアートギャラリーミヤウチで共同開催します。
砂川氏は昨年関東から出身地の広島へ活動を移し、広島では初となる個展です。
「Pink de Tea Time 2023 成果発表展#2」と合わせてご高覧くださいませ。
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関東での生活を人生の半分にあたる19年間過ごし、昨年3月に出身地である広島に帰ってきた。
この19年間を振り返ると、生活に大きな変化をもたらす様々な出来事があった。東日本大震災や新型コロナウイルス感染症の災害に直面し、身内の事としては父親、両祖母が亡くなり、母が姿を晦まし、そして、結婚し息子が産まれた。心境の変化に伴い、美術と向き合う姿勢にも変化があったのだが、自身が被爆3世ともあってか戦争での出来事や体験が追体験として身体に沁み着き常態化しているのであった。毎年、夏の蝉の泣く時期にはその音に呼応して、どこかで観た戦時下の映像のフラッシュバックであろうかラジオの音と空襲の音が同時に聞こえるのである。そんな時代で戦争は過去のものと思っていた矢先に、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻が始まり、現在でも目を疑うような光景が報道やSNSを通じて今日の出来事として発信され続けている。しかも、その情報には不確実な要素が多く、受け取る側には解釈の重要性が求められるのである。
本展では、ヒロシマに関連するテーマで2015年に東京にて開催した展覧会『仮説としての平和』に出品した複数の協力者と共同で作り上げた10mの平面作品と、本展に向けて20世紀後半のアメリカ抽象表現主義の作品に用いられる「崇高」の概念を土台とし、英雄や国家に対する精神性をイメージと時間を用いて、社会に於ける帰属意識についての真意を問いかける新作で構成する。(砂川啓介)
日時:2024年3月17日(日)11:00-12:00
場所:アートギャラリーミヤウチ3階
会期:2024年3月15日(金)-3月31日(日)
※最終日が異なりますので、お気をつけください
会場:アートギャラリーミヤウチ2階展示室
入場無料
1985 広島県広島市生まれ
2011 多摩美術大学大学院美術研究科修士課程修了
2018 MAD アーティスト・プラクティス修了
【主な個展】
2015 「仮説としての平和」gallery W、東京
2009 「砂川啓介展」ギャラリー壹零參、神奈川
【主なグループ展】
2018 「明け方の計略」駒込倉庫、東京
2017 「プラセボソワカ」横浜市民ギャラリーあざみ野、神奈川
2015 「夜間実験」アキバタマビ 21、東京
2013 「□と□」アキバタマビ 21、東京
2010 「第 45 回昭和会展」日動画廊、東京
2009 「第 28 回損保ジャパン美術財団選抜奨励展」SOMPO 美術館、東京
【その他】
2009 多摩美術大学学業成績優秀者奨学金
2010 多摩美術大学学業成績優秀者奨学金
2010 「第 45 回昭和会展」東京海上日動賞受賞
参考画像※展示作品とは異なる作品も含まれます