1939年山口県周防大島町に生まれ、9人兄弟の7番目として可愛がられた。29歳の時に仕事と仲間を求めて、障がい者が働ける施設「広島ひかり園」に入園。手芸科に属し、クロス刺繍と出会う。仲間と共にテーブルナプキンを製作・販売し、針を持つことが大好きになった。余暇には、自由に思いつくまま多彩な色で刺す独特な刺繍を生み出した。
63歳(2002年)の時、施設内で結婚した夫と死別し、悲しみの日々のなか施設の仲間や兄弟に慰められながら刺繍を続けてきた。その頃来園された手芸家や彫刻家の方に作品を見ていただき評価を得る機会があった。クロスステッチ刺繍による額絵を制作し始め、自分の部屋での刺繍は数ヶ月をかけるほど大作となった。72歳(2011年)の時、障がい者の作品を対象とした公募展「アートルネッサンス」に出会い、2014年以降は毎年入選している。別の公募展「あいサポート展2014」では、《そら》が銅賞を受賞。