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黒田大スケ “どけざのためのプラクティス”

2021年1月16日(土)-2月28日(日)

歴史、環境、身体に関する様々なリサーチを通じ、認識されているが目に見えない幽霊のような存在を可視化する作品を手がける黒田大スケ。このたびは、公共彫刻をモチーフに亡霊のような存在を自身の身体などを通して可視化する映像シリーズの一つ《どけざのためのプラクティス》を公開します。また別の場所で開催する展覧会への出品作品と緩やかにつながっていく新作の追加展示も予定しています。

《どけざのためのプラクティス》について
タイトルのどげざとは京都の三条京阪の駅前にある高山彦九郎像の俗称である。このビデオは、高山彦九郎像を戦前に制作した渡辺長男と戦後再建した伊藤五百亀という2人の彫刻家の亡霊があの世において動物の姿で像を作っては壊しを繰り返している様子を作者が演じたものを映している。背中合わせに置かれた2つのビデオはそれぞれ同じ時に撮影されたもので、外側には禍々しいものを美的な作用で持って覆い隠す花園のイメージが重ねてあり、内側はあの世の彫刻家の振る舞いを示している。(黒田大スケ)

参考画像

どげざのためのプラクティス、2020、ビデオ2面モニター、12分39秒
どげざのためのプラクティス、2020、ビデオ2面モニター、12分39秒

黒田大スケ / KURODA Daisuke

1982年京都府生まれ。2013年広島市立大学大学院芸術学研究科総合造形芸術専攻(彫刻領域)修了。同年、橋本平八「石に就て」の研究で博士号取得。近年は東アジアの彫刻概念に関するリサーチと制作に取り組んでいる。個人の活動の他に「チームやめよう」の主宰。展覧会の企画など手がける。最近の主な展覧会に「対馬アートファンタジア」(長崎、対馬、2011−2019)、個展「ハイパーゴースト・スカルプチャー」(東京、Kanzan Gallery、2019)、個展「不在の彫刻史2」(東京、3331 Arts Chiyoda、2019)、個展「不在の彫刻史」(東京、トーキョーアーツアンドスペース本郷、2017)、「東アジア文化都市奈良2016 古都祝奈良」(奈良、東城戸町会所)、個展「透明な風景」(札幌、札幌国際芸術祭SIAF ラボプロジェクトルーム)などがある。

基本情報

展示

2021年1月16日(土)-2月28日(日)

開館時間

10:00-17:00(最終入館は16:30)

会場

アートギャラリーミヤウチ 3F展示室

休館日

火・水曜日(2/23は開館)

観覧料

無料

主催

アートギャラリーミヤウチ

支援

広島市 文化芸術の灯を消さないプロジェクト

本展は、「広島市文化芸術振興臨時支援事業~文化芸術の灯を消さないプロジェクト~」の一環として広島市を拠点とするアーティストの創作活動を紹介してく取り組みの一つして開催しています。新型コロナウイルスの影響で、決まった日時や場所での作品鑑賞は当然にあるものではなく不安定なものであることを目の当たりにしました。そのような状況下でもアーティストの活動は止むわけではなく、展覧会や演奏といった発表の形だけに留まらず制作、研究・実験といった創作活動は個々の時間で続いています。このたびのプログラムは当館をはじめ、広島市内各所、オンラインなど場所や活動期間も各アーティストで異なります。それぞれの活動を通して、作品の孤立性と関係性、展覧会やスペース、そして鑑賞のあり方を問いながらそれらの見直しを試みていきます。